渡海奈穂の近況報告の歌

小説家・渡海奈穂の買った本とか日常のどうでもいい感じの記録、たまに宣伝。

2010年総括

ここ数年「こんなに働くのは今年限りだろう」と思っておりますが、ありがたいことに、今年も同じことを思いました。
BLと少女向けの単行本と、原作を担当させていただいたまんがの単行本、ドラマCDとか、その他こまごまと、いろいろなことをやらせもらって、本当に本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。
反省も後悔も多々ありますが、振り返ってみれば、嬉しいことの方が多い一年でした。
 
一番嬉しかったのが、『失恋竜と契約の花嫁』のシリーズを無事完結できたことです。
今年頭の目標に掲げていた『シリーズを終わらせる』というのがこれのことで、それをきちんと実現することができて、本当に嬉しかったしホッとしました。
失恋竜に関しては、しつこいようですが1冊で終わるはずの物語だったので、その後毎回「どうすんだこれ…」と蒼白になりながら書いてました。
悩むことが多かったけど、その分いろいろ勉強になって、目標もできて、書いてる間はやっぱり自分のキャラクターは大事でかわいく、辛いけど楽しい時間を過ごしました。
シリーズの終わりが近づくにつれ好き勝手なことを始め(わたしが)、最後の3冊くらいは、相当やりたいようにやらせていただきました。
「いいっすいいっす」とそれを許してくれた新担当さん、最後まで本当にすばらしいイラストを提供してくださった池上紗京さん、終わりまで見守ってくださった読者のみなさんには、改めて、どうお礼を言おうとも言い尽くせないくらい感謝しています。
あとずーっと泣き言や、勝手な萌え話を聞いて励ましてくれた近所のAB型(世界で唯一のラース萌え)の人にも。
物語を終わらせる喜びを与えてくれた失恋竜にも、まあ自分で書いてるのにこんなこと言うのもアレなんですが、すごく感謝しています。
スウェナにもメリルにもフィーナにもラースにもセツにもリリーにもナインにもルシアにも、ネタバレになるから言えない人たちにも、よかったね、って思える最後にできたのが嬉しいです。
読んでくれた人からも、わたしに対してじゃなくキャラクターや世界に対して「よかったね」って言ってもらえて、泣けるくらい嬉しかった。
 
あともう一個、『兄弟の事情』の続篇をやらせてもらえたのがとても嬉しかったです。
本当のことを正直に書いてしまえば*いないと思いますがわたしに夢を見ている人は見ないでください*「騎乗位でセルフ乳首弄りをする紬里」が書きたいがための続編でしたが、*ここまで*、水橋家の三兄弟と、あと茜のことも、その後が書けて楽しかったです。
わたしが書くBLって、もう書き始めの最初から、好きな人は好き、駄目なものは生理的に駄目くらいの勢いで感想が真っ二つに割れることが多いんですが、お仕事の方ではなるべくみんなが楽しく読めるようにしようと意図的に駄目そうな部分を消して書いているので(これでもな!)(すみません失笑されても仕方ないと思ってます)、最近はそんなこともないなあと思っていたんですが、特に一冊目の方の割れっぷりが凄かった。
この辺についてはあとがきにも書いたので割愛。
とにかく阿部あかねさんのイラストがかわいくて格好よくて、特に和臣がかなり絵のおかげで助けられた気がします…ありがとうございます…紬里も茜もかわいくてしあわせ! 扉のふたりを見た時、実はちょと泣いた…。
CDにしてもらえたのもラッキーでハッピーでした。
 
さらにまんが原作をやらせていただいた『カクゴをきめて』がコミックスにまとまったのも嬉しすぎました。
ブログ読んでる方にはおわかりでしょうが、わたしはまんが大好きで、それに関われたのがすごくしあわせでした。しかも大好きな三池ろむこさんの作画で!
そのスピンオフを三池さんのイラストで書けたのも嬉しかったです。
そんでさらに、オタク魂丸出しのふわゆるラブを書けて佐倉ハイジさんのイラストで文庫にしていただいたのも、石川沙絵さんの愛らしく華やかなイラストで夢にまで見た百合小説をリンク作と同時発行という幸せな地獄を味わいながら書けたことも、尊敬するおがきちかさんのイラストでアホファンタジーが書けたのも、愛する雨隠ギドさんのイラストで文庫本を出してもらえたのも、ひさびさの高校生ものを小鳩めばるさんのかわゆいイラストで書かせていただけたのも、初めてのレーベルさんで美しい有馬かつみさんのイラストで書かせていただけたのも、何もかも嬉しくて楽しくてしあわせでした。
P3Pのファンブックに寄稿させてもらえたのも、後藤晶さんのカノジョは官能小説家の最後まで短編を寄稿させてもらえたのも、初めてエッセイ書かせてもらえたのも楽しかった!
 
読んでくださった読者さん、関わってくださったイラストレーターさんや担当さん、その他出版関係のみなさんには、足を向けられないので毎日立ったまま寝るくらい感謝しています。
いつも言ってるけど、お仕事の時は、どのジャンルでもどんな媒体でも、必ずその作品ごとに自分なりの目標を決めてそれを果たす、っていうのを自分に課しています。
書くのも馬鹿馬鹿しいくらい小さな目標から、創作に対する姿勢とかいうご大層なものまで、何かしらできることが増えるように目指しつつ小説を書いてます。
自分の努力について自分で口に出すのは格好悪いので好きではないんですが、言わないとわかってもらえず頑張ってないって誤解されることもあるので、年に一回は書いておく。いつでも作品については真摯であろうとする姿勢は、書いている限り貫く予定です。
自分の心持ちだけではどうにもならないことがあって、作品にしろ仕事のやり方にしろうまく受け手に伝えられず、落ち込んだり悲しかったり申し訳なかったりするけど、なるべくへこたれたり変に卑屈になって諦めたりしないように頑張りたい…。
自分の書く話とか、考え方って、やっぱりちょっと変なんだなあと(今さらって思われるかもしれないけど)ひしひし感じた一年でもあって、気分的にも実務的にも人間関係的にもどう対応したらいいのかっていう結論は出ないままで今年が終わってしまうけど、人に許されるなら「小説を書くことにだけはまじめです」っていう部分で許されたいので、そういう方向性で行こうっていうか行くしかないっていう覚悟だけは決めておきたい。です。
 
来年もまたあれこれやらせていただけるみたいなので、ひとつひとつ大事に、なまけずに、弱音を吐いてもちゃんと立ち直って、失敗しても何かしら学んで次に繋がるように諦めず、しっかりやっていこうと思います。
そんな感じで、まだおつきあいいただける向きには、よろしくお願いいたします。
何かひとつのお話でもシーンでも台詞でも、読んでくれた人の気持ちにひっかかるものが作れればいいな。
 
 
こっからはちょっとプライベートな話も絡むので畳みます。
 
 
 
 
本当に私的なことになってしまいますが、今年は春に父が亡くなり、看取るためとその後のあれこれのために思いのほか時間を割く必要がでてきて、ただでさえ全体的に遅れがちだった仕事の進行が怖ろしい状況になりはてました。
日程的にも精神的にも多分ずいぶんと逼迫していましたが、ギリギリまで根気よく原稿を待ってくださった担当さんとイラストレーターさん(と、わたしには見えないところでその他出版関係のみなさん)には本当に感謝してもしきれません。
父のことがどうにか落ち着いたと思ったころに大好きだった伯父まで原因不明の突然死で失い、さすがにへこたれずにはいられませんでしたが、お仕事に関しては担当さん、プライベートに関しては近所の人たちが何くれとなく支えてくれて、後悔を残すことなくすべて予定どおりの刊行が叶い、みなさんのお手許に届けることができて、ほっとしています。
ありがとうございました。
 
父とは一般的な家庭よりも一緒に過ごす時間は少なかったのですが、最後は長いことそばに付き添うことができて、はじめてきちんと長い話ができて、ずっといい顔をされていなかったお仕事で小説を書くことも最後の最後に多分認めてもらえて、いいお式ができて、本当にありがたかったです。
辛い年ではありましたが、公私ともに後悔の残らない形で動けるようにしてもらえたことに、心から感謝します。
 
 
そんな感じで、長々とここまで読んでくださった方にはどうもありがとうございます。
上記の理由でわたしからの新年のご挨拶は控えさせていただきますが、みなさまどうぞよいお年をお迎えください。