もういっこ、涙がじょびっと出そうになった話。

作・演出/つかこうへい
出演/錦織一清/黒谷友香/風間俊介/赤塚篤紀/三浦祐介/ほか北区つかこうへい劇団/佐藤アツヒロ

あれ、公式が落ちてる? とりあえずこっちhttp://www.tsuka.co.jp/
この日の日記で愕然としていたそれですが、電話予約の途中でなかなか繋がらないものだから寝ちゃって、まあいいやと諦めていたんですが、知人のご好意により観に行って来ました。
 
 
以下、これから観に行く人、観て満足だった人のために伏せます。
 
 

 
観ていてすごく悲しかった。風間はきっとすごく稽古して、頑張って、一生懸命取り組んで舞台に望んだんだろうなというのがひしひし伝わってきた。
 
なのに
 
致命的に舞台役者に向いていないというか演技力が一切ないというか、人間努力してもどうにもならないことってあるんだろうなあとか、そういう…。
お話自体がそういうものじゃないですか。スターさんの銀ちゃん、大部屋のヤス、銀ちゃんが生まれつき持っているものをヤスは持っていない。どんなに切望しても血を吐く努力をしても決して手に入らないものがある、
 
というようなことを、風間が出てくると訪れるやんわりした眠気と戦いながら考えていました…。
青山劇場のなんと広いことか。風間と黒谷友香の何と小さいことか。
せめて本多劇場くらいなら…いやそれでも広いかな…。
あんなに上演中に咳の音が響いたり、いびきの音が聞こえたり、携帯電話の明かりが見えたり、何人もの人が途中で席を立つ舞台は初めてです。いっそ感動した。
つかさんらしい台詞回し、動きで、決して稚拙ではないのに、どうやっても厚いカーテンの向こうで行われてる別の世界のできごとだった。頑張ってるのがわかるのに魂に響くことのない演技がものすごく切なかった。言霊ののってない台詞がどれだけ空虚なのか思い知りました。今までつかさんの舞台に出た役者さんってすごかったんだなあ。
 
切ない気持ちになりつつ、今回佐藤アツヒロがすごくよかったので、救いでした。
この人の初舞台をわたしは観ているのですが、すさまじい大根ぶりに呆然としたものの、観るたびに劇的な成長をしていて、今回で、ああ、この人ならつかさんとこで主役を張って欲しいなあと思った。
いや、池田成志くらいの位置づけがいいのか? 
あっくんが全部攫ってしまった感があって、出番は少なかったのに、印象が強すぎて舞台のバランスがものすごく悪くなってしまった気がします。だって銀ちゃんと一番絆が強いのって中村屋だもんなあ。ヤスは何なの? 銀ちゃんにとってはただの「自分が面倒みている大部屋俳優の中のひとり」?
 
そして銀ちゃんが、この舞台の中でもっともどうでもよくて、何か…あー。銀ちゃんにはスターさんでいてほしいのになあ。錦織の銀ちゃんは、老練しているけど特別輝きがなくて、しっくりこなかった。
舞台って容赦ないなと思う。
 
し、しかし、うーん、脚本と演出のせいもあったんじゃないか…と思うとちょっと怖いなあ。もうちょっと演出がシャープだったら、こうまでガックリするできではなかった気がしないでもない。あまりにもバランスが悪くて、それがつかさん本人が作演出した弊害だとしたら、わたしは何を信じて舞台を見続ければいいのかとちょっと途方に暮れた。
 
頭がごちゃっとしてるので、もうちょっと整理して考えてみよう。殴られたせいかなあ。

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