渡海奈穂の近況報告の歌

小説家・渡海奈穂の買った本とか日常のどうでもいい感じの記録、たまに宣伝。

あといっかいー

武田二回目で今期ラスト
 

閣下:武田真治
フランツ:石川禅
ルドルフ:パクトンハ
ゾフィー:寿ひずる

 
そろそろいいかもと思うので記事伏せませんが、これからって方はごらんにならない方が舞台楽しめるかもー。
 
 
タケはやっぱり一回目に観に行った時よりだいぶマシになっていた。よかった。変なタメが少なくなったし、動きも2割くらいカットされてたような。声も少し出るようになっていた。相変わらず音域が狭くて、高音が下がりっぱなしなのが気になってしまいましたが。特に最後のダンス、ここ閣下の前半最大の見せ場だと思うのに、キンキンしちゃってなあ。毎度頭抱えたくなる。
頭のおかしい演技は充分なんですが。秘めたる狂気じゃなくて、剥き出しなところが人間臭いんだよな。
見てるこっちも頭おかしくなりそうなので、もしかしたらこれで成功なのかも知れません。シシィが現実に返った時の狼狽ぶりがすごかったし。我に返ってフランツに助けを求めようとする→野次馬の好奇に耐えかねて逃げ出す→フランツに(無意識に)見捨てられてショックを受ける、という流れにものすごい説得力があった気がします。無邪気に生きてきたこれまでの日常から非日常へ落ちていくシシィの動揺がよくわかった。
そしてシシィの可哀想度がアップする。
今回、一幕十場の(皇后の寝室?)のシーンで、ゾフィーが「争いたくない」と言った時、シシィがぱっと顔を輝かせて「わたくしも!」と答えていたのが印象的でした。これまで見た時は、切羽詰まって争いを避けようと喰い下がっているようだったのに、幼い子が建前を鵜呑みにしてしまった無邪気さがあって、微笑ましいと共に痛々しかったです。
そういえばバートイシュルのお見合いのとこ、ルキーニとの掛け合いも増えてなかったか? ルキーニに「俺も仰いで」って帽子渡されて、しばらく仰いであげるのに、そのうちぽいっと帽子投げて、ルキーニがぷんすかしてシシィはご機嫌、みたいな。アドリブかな、単に見落としだったらすみませんが。
この辺でも、やっぱりシシィのかわいさが際だっていて、夜のボートのとこでいつも「ああ、あのシシィがこんなふうになってしまったんだな」と悲しくなるんですが、今回それがより一層強く感じられました。
 
あれ、シシィの話になってる。トートの話をしようと思っていたんだよ。
武田トートがひたむきなのは相変わらず。そしてやっぱり黄泉の帝王には見えない…。まだ素のタケの部分の方が多く見えました。その必死さがトートの必死さと被って、ある種の感動にはなるのです。
そう、今回、やらた感動してラストで泣いてしまったよ。シシィを手に入れられたトートがあまりに幸福そうで、満足そうだったので、こっちも感極まってしまった。
 
ああ、この辺はシシィの感情に引きずられたせいもあるのかな。今回前述のとおり、シシィの感情の振れ幅が大きかったので余計にというか。幼い頃の無邪気さから、絶望して孤独にひたり、すべてを拒むようになったって辺りがすごくダイレクトに伝わってきた。
パパに憧れて、自由を愛していたのに、結婚生活を続けるうちに「パパみたいになりたい」っていう希望はただの羨望と諦観になり(「パパみたいになりかった」という過去形の辺りでいつも泣ける…)、息子すら拒んだことで彼の命を奪われ、フランツのことも受け入れられず、狂うこともできずにひとりで彷徨い続けて――という、ものすごい孤独が、最後にトートを受け入れることで満たされた。
愛のテーマの時の、エリザベートのすべてから解放された! っていう喜びがいつもより強く伝わってきて泣けたのかもな。
 
で、今回パクルドルフだったんですが、パクも去年よりは歌が上手くなったような……気がしつつ、やっぱり日本語があやしいので、歌以外のとこでひやひやする…。
そして大変健康そうな体で、トート隊が大変そうでした。ふたりがかりでリフトしてるのによろめいていた。ルドルフが死んだあと、悲しみよりも「落ちそう! 落ちそう!」という緊張でドキドキしました…。
浦井が軽そうなので、ギャップがすごいなあ。
パクもいつも一生懸命なので、闇が広がるがおもしろかった。一生懸命対一生懸命。
 
どなたかの感想で見た時、ああ、と納得したんですが、タケを見てる時って母親が息子の学芸会を見守るような気分になっちゃうんだよな。感動したのって、息子が頑張って発表会を終わらせた感想に近いのかも。
ボイトレ頑張れ……。
動きがある、感情の表現が大きい、非日常感が強くなる、っていうのは武田トートのすごくいい部分だと思うんですが、非日常感を非日常的にヘタな歌で表現するのはどうかと思う…わざと音外したり強弱つけて魅せるっていうのはアリだろうけど。10個バリエーションがあるうちの8個目をやるのと、5個しかないのに8番目をやろうとするのでは雲泥の差です(うまく言えんが)。
 
なので要するに来年以降を楽しみにしてます。一路が休養に入っちゃうのが心配ですが、正式発表があるまでは、諸々キャスト関連のことを考えないようにしよう…。
 
さて観劇も残すことろあと一回です。やっぱ楽は無理そうなんで、前楽で我慢する…。最後は山口・浦井・寿と自分的今回のベストキャストなので楽しみ。
 
宝塚劇場で雪組エリザのDVDも買ってきた。見るどー。