渡海奈穂の近況報告の歌

小説家・渡海奈穂の買った本とか日常のどうでもいい感じの記録、たまに宣伝。

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小学生の砂糖菓子みたいにとてもかわいらしい少女が主役でした。ちなみに茶色いふわふわの長い髪を、サイドだけ赤いぼんぼんのついたゴムで結んでました。最高! 幼女最高!!
それはそれとして、『わたし』には同い年の幼なじみがいます。生意気盛りやんちゃざかりの、でもわたしのことを大事にしてくれる、やさしい男の子です。
 
わたしは満月の夜、彼と一緒に月が見たいとねだります。
彼は「いやいや、年頃の男女が夜中に一緒にいるなんてそんな」と内心思いつつも(カメラ二台でお届けしております)、わたしの願いを叶えてやりたい気持ちの方が勝り、一度家に戻ってから夜中に落ち合おうと約束します。
わたしは家に帰る時間も惜しくなってしまって、うっとりと月に見とれ、彼の言いつけを守らず家には帰りませんでした。
 
彼は落ち合う予定の時間に、わたしのためのクッションやお菓子などを持って家の前で待っていましたが、わたしはひとり月を眺めるのに夢中になり、約束よりずいぶんと遅れて彼の元に向かいました。
彼はわたしを見ると怒りを抑えて黙り込み、二度とわたしと口をきいてくれなくなってしまったのです。
 
さて、彼とわたしは日頃小学校から高校まで一貫教育の巨大私立学園に通っています。
学園には神秘的な謎が多く(魔法が仕掛けられていたり、生徒に害なす生き物が潜んでいたりするのです)、わたしたちは昼となく夜となく、その謎を暴くことに夢中になっていました。学園の秘密に触れることはタブーです。みつかったらひどい罰を受けるので、わたしは校舎の中をその目的で歩き回る時は、周りに正体を知られないよう、黒いマントをかぶっています。
 
学園の謎に気づく人間は少ないものの、わたしたちの他にも幾許かいます。
わたしや彼が生徒たちの危害になるような仕掛けを捜して壊しているのに対し、それを出し抜いて仕掛けを生かそうとする高等部の生徒がおり、幼なじみは、その生徒のことを嫌っていました。
 
幼なじみに無視され、一緒に謎解きに向かうこともできなくなってしまったわたしは、悲しみに暮れて広い校舎の片隅で膝を抱えて座っていました。
すると、例の高等部の生徒がやってきて、「何を泣いているのか」と無遠慮に訊ねました。
彼は絵本から抜け出てきた王子様のように美しく、頭もいいのに、非常に根性がひねくれていました。
性格はともかく、見てくれが綺麗なので、幼なじみには秘密ですが、わたしは割合彼のことが気に入っていました。
わたしはしょんぼりと、幼なじみとけんかしてしまったことを彼に話しました。
子ども同士の諍いなど、大人びた彼には嘲笑の対象になってしまうだろう、と予測していたのですが、意外なことに、彼はまじめな顔でわたしの話を聞いてから、わたしに片手を差し出して来ました。
自分も大事な人とけんかをしてしまった、もちろんこの完璧なおれに一切非はないし、百パーセント相手が悪いものの、しかし話もできない時の気分はわかる。
わたしの手を引いて校舎の中を歩き出しながら、彼はぶっきらぼうな声でそう説明しました。
どうせまた校舎の中を嗅ぎまわるのだろう、目的は違っても目的地はどうせ同じなんだから一緒に行くぞ、と偉そうに彼が言いました。わたしは何だか変な理屈だな、と思いながら、黒いマントを頭からかぶり、彼と手を繋いで校舎の中を探検し始めました。
 
その様子を、幼なじみが眺めていました。
幼なじみは、校舎をまわる時は必ず自分と一緒だったわたしが、自分と離れ、その上敵である高等部の生徒と一緒だということにひどく衝撃を受けます。
わたしは隠していたつもりでしたが、幼なじみはわたしがその生徒にほのかな憧れを抱いていたことに気づいていたのです。
 
一方わたしは高等部の彼と手を繋いでいても、ときめいたり、恋が芽生えるようなことは一切ありませんでした。
なぜなら先日、彼が高等部の下級生とキスしているところを見てしまったからです。
彼も彼もそう、男でした。
(大丈夫、この人はホモだからわたしに興味はないわ)
わたしは聞こえるはずもない言葉を、幼なじみに向かって語りかけていました…。
 



 
何だろうこの夢は。
高等部の彼とキスしてたのは、彼と幼なじみの一切年下の大型犬タイプの子で、高等部の彼(名前がねーから面倒臭いこの表記…)が魔法に夢中になってあちこち暴走してるのを見てはいさめ、いさめては生意気だと怒られる可哀想な役割でした。まあもちろん犬×王子なわけですが。
やたらロマンチックな夢で、見てる時はすごくおもしろかったので、起きてからこれ小説にしたらどううかしらと思ったんですが、誰が読むわけこれ。つーか何のジャンルなわけ。
わたしのときめきをすべて集めている夢でした…。